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『世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術』

神開の書棚 お勧めする書籍
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新井直之著
『世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術』
(文響社、2017年)

社会人生活30余年、これまで、いろいろな方と仕事をご一緒させていただいてきましたが、そんな僕でも「執事」と呼ばれる方とは仕事はおろか、これまで一度もお目にかかったことすらなく、僕の中では現実のモノというより、妖精や聖杯探求者のような物語の中に出てくるキャラクター、、、そのように思えている節があります(?)そう、片メガネに燕尾服を着た英国老紳士、そういうイメージですね。

 しかし、執事はもちろん今も実在しています。
 本書の著者新井直之氏は現役の執事であり、またフォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪を顧客に持つ執事エージェンシー、日本バトラー&コンシェルジュ社の代表。ドラマ版・映画版・舞台版『謎解きはディナーのあとで』の執事監修、所作指導を担当したとのことですから、執事界の第一人者であることがうかがえます。
 どんな分野でもそこで第一人者とされる方の話は必ず傾聴に値するものがありますが、殊、「執事」という、僕にとってまるで未知の世界でそうなられた方のお話しであれば、これはきっと僕の知らない知見に満ちているに違いありません。またそれに加えて、本書のテーマは「手帳・ノート術」。これは僕の大・大・大好物のモノです。これはもう、読まずにはいられません。そんな感じで、期待に胸を膨らませ本書を読み始めたのでした。
 さて、読み終えた今その感想を一言で言うと、「手帳・ノート術」の指南を通して、「執事」という謎めいた(?)職業の正体を詳らかにしていく、ミステリー小説のようなエンタメ実務書――、と言えるかと思います。
 執事の仕事とは、ご主人様の期待値に対して130%でお返しできて初めて合格と、著者は「はじめに」に記しています。130%というのは、期待値以上なのはもちろんのこと、「驚き」や「感動」を与えるレベルのサービスを提供することを意味します。著者は常にそれを実現し、また、そのために不可欠なツールとして、

「手帳」、「ノート」、「カレンダーアプリ」の3つをあげます。

これらが、言ってみれば「執事の執事」のような役割を果たすことにより、当初の目論見からは思いも寄らなかった130 % 以 上のパフォーマンスを引き出すことになる、と著者は言います。
 僕が中でも、もっとも印象に残ったのは、手帳とカレンダーアプリの使い分けです。僕もそうでしたがこの両方を使って、二重にスケジュール管理を行っている方も多いのではないでしょうか。著者はそのやり方を否定し、スケジュール管理はアプリで一括し、手帳は別のもっと生産的な使い方を薦めます。
 手帳に記すべきなのはその月の「目標」
 目標を手書きで書いて、それを常に携帯することで、仕事に対するモチベーション維持につながると著者は説きます。加えて、そうすることは、単にそれを100%達成するばかりでなく、それを書いた時点では想像もしていなかった、より大きな成果を呼び込むことに繋がると著者は言います。それはちょうど、執事のサービスがご主人様にとって130%の満足度で合格とされることと符号します。つまり、著者はご主人様が執事に求めるものを、この3つのツールに求め、「執事の執事」としてこれらを最大限に活用しているのです。ホントものは使い様だな~と感心させられます。
 実在の執事とは究極のサービス業であり、その顧客に対する姿勢には多く学ぶところがあります。「手帳・ノート術」に興味のない方でも、お客様に130%の満足を与えたいと思う方は、ぜひ一度お読みください。

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