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『稼ぐ人の「超速」文章術』

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中野 巧 著
『稼ぐ人の「超速」文章術』
(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)

著者、中野巧氏は「共感」を科学する「エンパシーデザイン・ラボ」を主宰。そして、ビジネスにおいて「共感力」を磨くことが、文章力、マーケティング力、コミュニケーション力、企画力など、プロフェッショナルの仕事力を高めるという考えから、「共感」と「再現性」をテーマにした文章作成法「エンパシーライティング」を開発し、これまでに5万人以上にエンパシーライティングを伝えてきた、、、とのことです。なるほど、確かに「共感」ほど、人間が生きていく上で大切なものはないですし、マーケティング的な文脈から言っても、人間は論理よりも共感でモノを選ぶ傾向にあることはよく知られたところです。しかし、それだけに、「共感」を得ることを一つのスキルとして体系化するのは困難なものとされます。「共感」とはその場限りの一回性のものであり、「再現性」とは、基本相反するものとされているからです。
 そんな「共感」を心理学的な知見を用いてパターン化し、再現性のあるものにしようというのが、 「エンパシーライティング」の狙い。本書は、SNS、メルマガ、ブログ、LPと、それぞれのメディアの特性に合わせた共感を呼ぶ文章を、「超速」で書けるようになることを目標としています。
文章は、誰でも、確実に、上手くなる?と、著者中野氏は「はじめに」で高らかに宣言しますが、確かに本書の示すステップを着実にこなしていけば、少なくともWEB上のセールスライティングに関しては必要十分な力が身につくことでしょう。

 そして、すでに活躍中のセールスライターの方も、本書を読むことで、自分が無意識のうちに実践していた共感を得るためのテクニックを、改めて体系的にとらえることができるかと思います。その意味で本書は、すべてのセールスライティングに携わる方が、一度は読んで損をしない一冊と言えます。本書を読んで、僕が一番感心したのは、第5章「共感チャート」です。文章とは、ネガティブな感情と、ポジティブな感情のせめぎ合いの末、最終的にポジがネガを打ち負かし、読み手を全面的に行動へといざなう過程――そう、中野氏は言います。そして、その文章観の基、ポジ⇔ネガの攻防を、付箋紙などを用いてチャート化し目標の最大化を実現していく方法が示されています。文章を書くのに、ここまで面倒なことをしなくてはならないの? と正直、怠け者の僕などは思ってしまいましたが、よくよく考えるとこの作業は、プロのセールスライターが頭の中で、無意識のうちに行ってい
ることを「見える化」したものに他なりません。中野氏のいう「再現性」とは、このようにプロのセールスライターの思考の過程を、「見える化」し、それを誰もが活用できるフレームワークに落とし込んだものと言えます。巻末付録に収録された「穴埋めキャッチコピー369」などもまさにそれで、この369の類型から逸脱したコピーは、ほぼ人を行動へと至らしめる力がないもの、と言っても過言ではないでしょう。
 ところで、ゴルフにはプロゴルファーの他に、教えるのに特化した「レッスンプロ」というプロがいます。本書を通読して感じたのは、著者中野氏もまた文章のレッスンプロであり、僕のような才能の無い者にとって、本書は希望の一冊でもありました。実際僕もエンパシーライティングのテンプレートを使って、メルマガを書いております。このテンプレートがなければ毎日メルマガを書くことができないでしょう。本当に助かっています。

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