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『金運革命CDブック (無限にお金が舞い込む「神の 資本論」)』(マキノ出版、2018年)

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僕は広告マンなので、基本なんでもデータと
エビデンスに基づき判断するような思考の癖が
すっかり身についてしまっているのですが、

だからといって、
「運」、あるいは「セレンディピティ」
といったものを迷信や妄言などと断定し、
頭ごなしに否定するほどお堅い人間ではありません。

いや、むしろマーケターだからこそ、
一見、荒唐無稽で非科学的と感じる事柄であっても、
心に少しでも引っかかりを感じるものであれば、

とりあえず試してみようという、
トライ&エラーのマインドを
人一倍強く持ち合わせているような気もします。

見方によっては軽率で、慎重さに欠ける
ということにもなるのでしょうが、

分からないのならやってみる、
そして、それから判断するという、
ダイレクトマーケティングの知見を、
人生にも生かしている
んだと自分では思ったりしています。

ま、別名、無鉄砲とも言いますか……ね?

今回ご紹介する『金運革命』を書店で
思わず手に取ってしまったのも、
僕のそういう性質と大いに関係しているように思います。

この本のオビにデカデカと記された、
次の文言が僕の目を引いたのでした。

「収入5倍増、株価が13倍に!」

さー、もしこれが本当なら、読まないと大損ですよね。
また仮に本当でなかったとしても、
損するのはせいぜい本代の1728円(税込)と、
読むのにかかったわずかな時間くらいのもの。

ローリスク=ハイリターンなんて、そんな甘い話、
この世に存在しないものかと思っていましたが、

意外や意外、それは近所の小さな本屋の平台の上にあったのです!
これは当然買いでしょ。

ということで、僕は何の迷いもなく、この本を手に取り、
レジへと向かったのでした。

さて、肝心の本の内容についですが、
まず第一印象としてあげられるのは、
文章が非常に拙い点です。

おそらくこの本は、その調子からして
著者の清水義久氏が自ら執筆したのではなく、
氏へのインタビューを文字起こしし、

それをライターがまとめたものと思われますが、
話の飛躍や言葉の定義が曖昧な箇所が
非常に多く、これを書いたライターも、

実は清水氏の
話をよく理解できなないまま
原稿にしていたことがうかがい知れます。

これはこの本に限らず、著者があまりにも多忙であったり、
絶望的なくらい文才に欠けていたりする理由から、

ゴーストライターを起用し出版された作品に
よく見られる現象で、「ああ、この本もそういう本なんだな」
などと思いながら、読み進めていたのですが、

そうこうするうちに、その拙い文章に魅了されている
自分に気づくことになりました。

花田清輝や小林秀雄の文章がそうであるように(と言
えば言いすぎだな…)、

その飛躍や、曖昧で晦渋な
部分が逆に読み手を引き込む魅力になっている。

なんだこれは?

と気になり、
清水氏のセミナーの動画を見てみた
ところ、すべてが腑に落ちました。

この本、かなり忠
実に清水氏のセミナーを再現しています。

清水氏のセミナーと言えば、
参加するのに1回30万円もするにもかかわらず、
リピーターが続出しているとのこと
(自己申告)。

その理由は、その実際の成果にもあるのでしょうが、
それと同時に、その晦渋さが、

逆にそれが故に「すごい!」と思わせるという
プレゼン技術の賜物であると思いました。

それが分かっただけでも、
僕としては1728円の元は取れたというものです。

で、ローリスク=ハイリターンを夢見て買ったこの
本のその成果はというと、、、今のところ上に述べた
ことのみです。

ま、もう少し気長に待つことにいたします。

 

たまにはこういう本もリラックスできていいですよ。

 

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