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売上最小化、利益最大化の法則

神開の書棚 お勧めする書籍
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木下勝寿著
『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』
(ダイヤモンド社、2021年)

久しぶりに出ました!「味方には絶対読ませたい。敵には絶対に読ませたくない」一冊です。ということで、皆さん、これから本書のレビューを書きますが、もし、これを読んでピンとこなかったとしても、それは本書のせいではなく、ただただ僕の説明力不足によるものだと思ってください。

このコーナーでは、おススメの本とか言いながら、時折辛辣なことを書いては周りのスタッフから書き直しを命じられてきましたが、そんな僕がここまで大絶賛するのです。それだけで本書がどれだけすごいかお分かりいただけるのではないでしょうか。とにかく、僕にとって味方である親愛なる皆様、本書は絶対に読んでください!!
すみません、ちょっと興奮し過ぎました。。。ここでクールダウンいたします。
本書は株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長、木下勝寿氏による初の著書。北の達人さんと言えば、通販業界では誰もが知る急成長企業ですが、その実績たるや驚くべきものがあります。売上の7割が定期購入で18年連続増収、ここ5年で売上5倍、経常利益7倍、利益率29%は、上場しているおもなEC企業平均の12倍、株価上昇率日本一……と、こんな勢いのある企業は、日本中探してもまずありません(定期購入顧客獲得はやっぱり会社の成長に欠かせませんね)。そんな木下氏が出し惜しみゼロでその経営ノウハウを公開している本書は、ビジネス実用書として必読なのはもちろんのこと、それに加えて、木下氏のこれまでの足跡をたどる自叙伝的な要素も大いにあり、読み物としても一級の作品に仕上がっています。330ページの大著ですが、1ページごとに新しい発見があり、読みだすと次のページをめくらずにはいられなくなるでしょう。そして、読了後は、何度も読み直す「座右の書」として机の上にずっと鎮座する、本書はそういう一冊です。
木下氏の経営方針を一言で表すなら「超合理的」という言葉につきます。合理性に基づいた経営判断が徹底しており、その根底にはなんでもお金に換算する思考法があります。たとえば、約束に10分遅れた社員に対して木下氏は次のように告げると言います。
「今あなたは会社の利益20万円を無駄に使いましたよ」
僕も一応社長ですが、こんなこと社員にはとても言えません。ここに木下氏と僕との差があるのか……?いや、しかし、こんなことを社長が言う会社って、普通は社員がついていけず、すぐに頭打ちしてしまうものなのですが、北の達人さんは先ほど記したとおり、驚異的な成長をみせています。この辺りは木下氏の人徳や人間的な器のなせるところなのかもしれず、すぐにマネできるものではないな~という印象を持ちました。
しかし、本書はこういった木下氏個人のスーパー経営者としての能力に帰される話は少なく、誰でもやろうと思えばすぐに取り掛かれる経営戦術の話が中心です。その中でも、初公開とされる「5段階利益管理表」は注目に値します。
5段階利益管理表とは以下です。
【利益①】売上総利益(粗利)
【利益②】純粗利(造語)
【利益③】販売利益(造語)
【利益④】ABC利益
【利益⑤】商品ごとの営業利益
ほとんどの企業は①、④、⑤で管理しています。②、③は僕が100年考えても思い浮かばなかったものかもしれません。ここだけでも読む価値が十分にあります。ぜひお読みください!

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