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村中明彦著 『見せるだけで売れてしまう「事例広告」の方法』

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村中明彦著 『見せるだけで売れてしまう「事例広告」の方法』
(ダイヤモンド社、2011年)

 

 広告の仕事をしている中で、お客様から求められるも
のと言えば、なんといっても先行してその提案内容を実
施した他社の事例です。

 

こちらがいくら快心のプレゼンができたと思っていても、
最後に「で、他社さんの反響事例は?」と聞かれて、
そこで「いや、それがそのお…」などと口ごもってしま
っては、ほとんどいい結果を呼びません。

 

これは逆も言えて、自信のないプレゼンをやってしまっ
たとしても、いい事例さえ提示できれば、予想外にいい
結果を生むこともけっして珍しくはないですよね。

 

広告制作にしても同じことが言え、有名コピーライター
の書いた優れたキャッチコピーは目を引き、
印象に残るものかもしれませんが、
最終的な「買い」の決め手になるのは、

 

ほとんどの場合、やはり「事例」です。

 

「事例」をちゃんと示せるかどうかで、
その商品の売れるかどうかが決まると言っても言い過ぎ
ではないでしょう。

 

 しかし、これだけ「事例」を示すことが、売るうえで
効果的であるにもかかわらず、

 

これまでそれについてのスキルについて体系的に書かれ
た本というのは、ほとんどありませんでした。

 

その理由はおそらく、「事例」というのは、ありのまま
の事実を表すことであり、

 

そこに技術や知見は無用といった考え方があったからだ
と思われます。

 

本書はそういった考えを払しょくするという意味で、
画期的な一冊と呼ぶことができるでしょう。

 

もともとはIT業界に身を置き、「顧客事例」、
「導入事例」などを制作し、

 

その後、日本初の「事例広告」専門の制作、
コンサルティング会社を立ち上げた著者により、

 

「事例」が、「事例広告」として成立するために必要な
要件すべてが詳らかにされます。

 

この一冊さえあれば、「事例広告」は誰でも作れるし、
それは同時に誰もが「売るための力」を
獲得したと言い換えることもできます。

 

僕は、これほど簡単にそれを獲得する術を他に知りませんね。
 本書を読んで特に参考になったのは、
「事例広告を三倍よくする応用編テクニック」として、

「事例広告」を作る前に自分に投げかけるべきと記され
た3つの質問です。

 

それは次のような質問です。
 ・質問1:今、あなたの商品を買っているお客様は、
どんなふうにしてその商品を買っているのか?

 

 ・質問2:あなたはこの商品を、これから誰に売りた
いのか?

 

 ・質問3:この商品は、どこがいいのか?

 

 まず、この3つの質問に対する答えを明確にした上で、
取材にいどむことを著者は勧めます。

 

この質問の答えがそのまま、どんな「事例広告」にした
いかという方針になると筆者は言うのです。

 

まず最初に仮説があり、それを検証するという態度で制
作を進行していく。

 

「事例広告」とはつまり、既成事実をありのままに描写
していくことではなく、

 

こちらからそれに能動的に働きかけることにより、その
背後にある「真実」を導き出していく「広告」なのです。

 

このスキル、これからの時代、ますます求められるもの
だと僕は思います。

 

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