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内田和成著『仮説思考』(東洋経済新報社、2006年)

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頭を良くしたいと思うなら、「脳活」なんてやってもほとんど効果はありません(断言)。あれをやっても単に、「脳活(ゲーム)」が上達するだけで、汎用性のある頭の良さをもたらすものではないことが、脳科学的にも立証されています。では、何をしたらいいのでしょう。

その答えは単純です。

自分が「頭がいい」と思う人の思考法を学び、それを繰り返し使うことで自分の脳に、
「インストール」することです。

「ロジカルシンキング」しかり、
「フィチャーマッピング」しかり、
「マインドマップ」しかり、
「方眼ノート」しかり、

僕もこれまでいろいろな思考法を試し、そのうちのいくつかを自分の脳に「インストール」してきましたが、頭を良くするには、結局これ以外に方法はないとこの身をもって確信しています。

で、そんな僕がこれまでに「インストール」してきた数々の思考法の中でも、もっとも重視し、かつ実践的に活用しているのが、この「仮説思考」です。今や「仮説」なんて言葉は、ビジネスの現場では毎日のように聞かれますが、それは、本書のヒットがそもそもの始まり。この一冊により、「仮説思考」が、日本のビジネスマンの脳にデフォルトで「インストール」されるようになったと言っても過言ではないでしょう。

「仮説思考」とは何か?
 
すでに「インストール」完了済みの皆さんにとっては、今更な感じの話になりますが、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんので、そういう方々のために、少しだけその内容を申し上げると、

ポイントは次の3点になります。

・結論から考える ⇒ 問題解決のスピードと質が3倍上がる!

・問題を「見える化」する ⇒ 全体像が把握でき「視点」が増える!

・「選択肢を捨てる」 ⇒ 「少ない情報」で解決案にたどりつける!

要するに、必要な情報を網羅的に収集し、それをベースにして下から積み上げていくような思考法ではなく、まず、上から、結論から考え、仮の全体像を描き、それの正否を検証していくことで、仮説の精度を上げていく。そういう思考法のことを、「仮説思考」と言うのです。

………って、こんな感じの内容が、本書の主張する「仮説思考」の教科書的な概説になるのですが、僕がこの思考を「インストール」し、また長年活用してきた結果として得られた一番の成果と言えば、実は「思考」というより、「勇気」であったり、「決断力」であったりするんですよね。仮説って、マルクスの言うところの「命がけの飛躍」です。そのことを筆者は、本書の中で次のように述べています。創造的であればあるほど失敗はつきもの。そう、「仮説思考」とは、正しい解に最短距離で到達するためのスキルではなく、それを超えた、仮説を立てたその時点の自分では想像もつかない地点に到達するためになされるものなのですね。そのためには失敗を恐れないマインドのタフネスが何より必須。実は「頭がいい」とは、そういう状態のことを言うのだと、2018年の今、本書を久しぶりに読んで感じました。

 そして、そういう意味では僕もなかなか「頭がいい」。

なんせ、これまでさんざん失敗してきましたから……

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